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「AIの実用化元年」2026年、ルカンがMeta退社で世界モデル開発へ

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AIの先駆者ヤン・ルカン氏がMetaを退社、世界モデル研究所を設立

2026年1月2日、TechCrunchの報道によると、AI研究の第一人者であるヤン・ルカン氏がMetaを退社し、独自の世界モデル研究所を立ち上げたことが明らかになりました。同氏は50億ドルという評価額での資金調達を目指していると報じられています。この動きは、2026年がAI業界にとって「誇大広告から実用主義へ」と移行する転換点になるという同メディアの分析とも符号するものです。

ルカン氏はディープラーニング研究の礎を築いた人物として知られ、MetaのAI研究部門を長年率いてきました。その彼が巨大テック企業を離れ、世界モデルという特定領域に特化した研究所を設立したという事実は、この技術が次世代AIの中核になると見られていることを示しています。

世界モデルとは何か——Google DeepMindも開発を加速

世界モデル(world model)とは、AIが物理世界や因果関係をシミュレートできるようにする技術です。従来の大規模言語モデル(LLM)は文章の生成には優れていますが、「ボールを落としたらどう転がるか」といった物理現象の予測は苦手でした。世界モデルはこの弱点を補う技術として期待されています。

GoogleのDeepMindも世界モデル技術「Genie」の開発を進めており、2025年8月には新バージョンを発表しています。TechCrunchの記事では、こうした動きが「2026年が世界モデルにとって重要な年になる兆候が増えている」ことの証左だと指摘されています。

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Image: Pixabay (CC0)

50億ドルという評価額が意味すること

ルカン氏が目指す50億ドルという評価額は、スタートアップとしては極めて高い水準です。参考までに、OpenAIが2023年初頭に290億ドルと評価されたときは、すでにChatGPTで世界的な注目を集めていました。研究所の立ち上げ段階でこの金額を狙うということは、投資家がルカン氏の実績と世界モデル技術の将来性に大きな期待を寄せていることを意味します。

筆者の見立てでは、この評価額の背景には「LLM後」のAI技術覇権争いが始まっているという認識があるのでしょう。文章生成だけでなく、ロボティクスや自動運転、製造業のシミュレーションなど、物理世界と連動するAI応用が次の主戦場になるとの読みです。

【今日のワード】世界モデル(World Model)

AIが「こうしたらどうなるか」を予測するための内部シミュレーターのこと。たとえばロボットが「コップを掴んだら中身がこぼれるかも」と事前に判断できるようになる技術です。人間が頭の中で「もし〜だったら」とシミュレートするのに似ていますね。LLMが言語理解なら、世界モデルは物理理解と言えます。

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Image: Pixabay (CC0)

実用主義への転換——2026年のAI業界

TechCrunchの記事タイトルにある「誇大広告から実用主義へ」という表現は、AI業界の現状を端的に表しています。2022〜2024年はChatGPTをはじめとする生成AIが爆発的に普及しましたが、一方で「本当にビジネスに使えるのか」という疑問の声も根強くありました。

2026年はその答えを出す年になりそうです。ルカン氏のような著名研究者が特定技術に絞って研究所を立ち上げたり、Googleが実用化を見据えたプロダクトを段階的にリリースしたりする動きは、AI開発が「何でもできる汎用AI」から「特定領域で確実に価値を出すAI」へとシフトしていることを物語っています。

ルカン氏の新研究所がどのような成果を出すのか、そして世界モデル技術が実際にどんな産業で花開くのか。2026年はその第一歩を見届ける年になるでしょう。

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